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コワーキングスペースの利用を検討中のあなたへ|失敗しないための選び方を伝授します

テレワーク・チャレンジ, 新しい働き方の提案

2006年頃にアメリカのニューヨークで生まれ、その後は欧米諸国を中心に破竹の勢いで普及してきたコワーキングスペース。その動きが日本にも波及する中で、働き方改革の推進や新型コロナウイルス感染症の影響もあり、都内を中心に新しいコワーキングスペースが続々と誕生し、施設数と開設面積の割合も年々高まっています。

賃貸オフィスマーケット市場におけるコワーキングスペースの存在感が強まるとともに、利用者側として気になるのは、やはり自身に適した施設の選び方ではないでしょうかまた、施設の中長期的な利用を検討するにあたって、コワーキングスペースが一過性のブームではないか心配という方もいらっしゃるかもしれません。

そこで今回は、コロナ収束後もコワーキングスペースが必要になる理由や、施設を選ぶ際のチェックポイントについて解説していきます。

そもそも、「コワーキングスペース」とは何か?

オフィスや自宅以外の新たなワークスペースを指す「コワーキングスペース」ですが、実は、定義に対する明確な共通認識はまだ存在しません。ここでは、日本初のコワーキングスペース「cahooz(カフーツ)」代表の伊藤富雄氏が提唱した定義を参考に話を進めていきます。

SOHO(※1)やシェアハウス、レンタルオフィスといった従来のフレキシブルオフィスと同様に、個々に仕事を抱えるワーカーが集まる共有のワークスペースであると言えますが、コミュニケーションを通じて情報や知恵を共有することで新たな価値を創出しようとする点が特徴的です。

「個々に仕事を持ち働く人たちが、働く場所(空間)を同じくするだけではなく、コミュニケーションを図ることで、互いに情報を共有するという概念およびそのための施設」

                     「cahooz(カフーツ)」代表 伊藤富雄氏

法人向け不動産のトータルソリューションプロバイダーであるCBRE日本法人がオキュパイアーに対して実施したアンケート調査の結果では、東京23区に拠点を置く企業の23%がコワーキングスペースなどのフレキシブルオフィスをすでに利用している、または今後1年以内に利用する予定と回答しており、企業の関心度も徐々に高まりつつあります。

※1…自宅や小規模なオフィスを仕事場とする働き方。またはその場所自体のことを指す。

コロナ収束後もコワーキングスペースが必要になる理由

▲『日本のコワーキングスペースの現状と展開(大都市政策研究機構)』


続いて、
コワーキングスペース施設数の推移について見ていきましょう。大都市政策研究機構が発表した調査・研究レポートでは、2015年から2019年の4年間で、施設数が300から799へと約2.66倍増加していることが判明しました。単純平均で年間100施設ずつの増加数に加え、「東北」「中部」「中国」といった地方の伸び率が、東京を含む「関東」を上回っていることに注目です。

さらに近年では、大手不動産会社や外資系企業といった巨大資本の参入も続き、施設数の急増と全国展開につながっています。株式会社コワーカーズが独自に調査した最新のデータにおいても、47都道府県を合わせた施設数は1147(2021年5月時点)となっており、ここまでコワーキングスペースが増加してきた要因も加味すると、コロナ収束後も市場規模の拡大は続くものと想定できるでしょう。

コワーキングスペースの増加要因(資料より一部抜粋
・起業数の増加
・高空室率時のリーシング戦略
・リモートワークの必要性
・生産性向上の一手段

コワーキングスペースを選ぶ際のチェックポイント8選

ここからは、コワーキングスペースを選ぶ際の判断基準となる8つのチェックポイントについて解説していきます。施設の選択ミスを防ぎ、自身にとってベストなワークスペースを見つけるためにも、ぜひそれぞれの内容を参考にしてみてください。

1.料金システム・会員プラン

コワーキングスペースの料金システムは、一般的に「月額制」「ドロップイン」の2つのタイプに分かれています。また、どれだけ魅力的な施設でも、予算より料金が高ければ利用することはできませんので、金額も忘れずに確認するようにしてください。

月額制

その名の通り、月額定額制で施設を利用できる料金システムのことで、「入居」や「メンバーシップ」と呼ばれることもあります。内容も施設によりさまざまとなっており、複数のプランが用意されている場合も少なくありません。

単純に利用頻度が多い方だけではなく、副業や勉強で平日の夜や休日のみ利用したい方など、ライトなユーザーに合わせたプランを提供している施設もあります。1か月あたりの利用回数が一定以上であれば、ドロップインよりもお得な料金体系となっているケースが多いため、気に入った施設であれば月額制プランの利用がおすすめです。

ドロップイン

ドロップインとは、施設を利用するごとに1日単位や時間単位で都度清算を行う料金システムのことです。そのため、初めてコワーキングスペースを利用する場合や、気になる施設を試したい場合に利用することが必然的に多くなります。

施設によっては、月額制とドロップインのどちらかのタイプに限定されているか、提供されているプランが少ないケースもありますので、事前のチェックを欠かさないようにしましょう。

2.施設内の環境・設備

▲山梨県富士吉田市にある絶景富士山ビューのコワーキングスペース「ドットワーク富士吉田」


仕事や勉強を主な目的とするコワーキングスペースは、施設内の環境や設備次第で利用時の快適度が大きく左右されます。特に、利用用途がテレワークである場合には、安定した通信環境や、情報セキュリティへの対策、Web会議などに利用できる個室スペースの有無は重要な判断基準です。

施設によって設備は異なり、デスクとチェア、最低限のネット環境のみという場合もめずらしくありません。以下にコワーキングスペースでよくある設備一覧をまとめておきますが、必ずしもこれらの設備が全て整っているとは限りませんので、施設選びの際には自身の利用用途や作業内容を鑑みて、これだけは譲れない条件を決めておくようにしましょう

コワーキングスペースでよくある設備一覧
・Wi-Fi
・コンセント、充電設備
・プロジェクター、大型ディスプレイ
・プリンター、スキャナー、複合機
・フリードリンク、自動販売機、軽食販売
・冷蔵庫、電子レンジ
・ロッカー
・コミュニティスペース
・会議室
・託児所
・個室スペース
・デスク、チェア


3.付帯・関連サービス

施設独自のサービスやコミュニティマネージャーを介したビジネスマッチング、固定ロッカーの契約、郵便物の受け取りといった、付帯・関連サービスを利用できるコワーキングスペースもあります。

特に起業支援サービス志向のある施設では、法人登記における住所利用や、弁護士や税理士といった専門家サポートなどのサービスが充実していることが多いため、起業を考えている方におすすめです。

4.立地・アクセス

コワーキングスペース選びにおける立地・アクセスは、重要な判断基準のひとつです。必ずしも自宅から近ければ良いというわけではありませんので、以下に記載する3つの要素を踏まえて十分に検討を行いましょう。

距離

距離で判断する場合には、自宅・会社・自身が担当する営業エリアなど、まずは基点となる場所を決めてください。小さなお子様がいらっしゃる場合には、保育園から近い施設を利用するなど、自身の生活状況も鑑みて検討を行うとより安心です。

参考例
・自宅から近い場所
→天候や季節に関係なく快適なアクセスが可能
・会社から近い場所
→会社帰りにそのまま寄れるため便利
・自身が担当する営業エリア内
→営業回りの合間に拠点として利用できる


周辺状況

利用頻度や滞在時間が長くなるにつれ、施設の周辺状況は重要度を増します。近隣に飲食店やリラクゼーション施設があれば息抜きもできますし、スーパーやドラッグストアがあれば帰宅前の買い出しに便利です。気になるコワーキングスペースがある場合には、自身のライフスタイルや好みに合いそうな店舗が周辺にあるか事前にチェックしてみてください。

土地のブランド

職業や事業の内容によっては、大都市に法人住所を置くことがステータスシンボルとなりますので、法人登記における住所利用を考えているのであれば、信用度の高い土地がおすすめです。

5.施設の雰囲気・運営目的

起業支援や地方創生など、コワーキングスペースには、施設ごとにさまざまなコンセプトや運営目的があります。それぞれ施設に集まる利用者の属性も異なり、職種・業種に関係なく多様な人々が集まっている場合や、ひとつのテーマのもとに共通の目的を持った人々が集まっている場合など、ひと口にコワーキングスペースと言ってもバラエティー豊かです。

集まる利用者の属性によっては、アットホームな雰囲気の施設もあれば、個の時間を重視する落ち着いた雰囲気の施設もあります。事前にどのような傾向があるのか知りたい場合には、施設の公式ホームページにてアップされているブログや、過去イベント開催時の様子などをチェックしてみてください。

6.利用目的

▲ドットワーク富士吉田の姉妹施設「.work ANNEX」は、夜間や土日も利用できる無人コワーキングスペース


コワーキングスペースの主な利用目的は、おおまかに「仕事」と「勉強」の2つに大別されますが、より細分化して考えることで、施設の選択ミスを未然に防げる可能性が高くなります。

また、利用目的を主軸にその他の条件を洗い出すようにすると、施設選びもスムーズに進みますので、まずは自身がなぜコワーキングスペースの利用を検討し始めたのかを明確にしておきましょう。

コワーキングスペースでよくある利用目的の例
・仕事に集中できる自宅以外の場所を探している
・自宅からの距離が短い施設を探している
・起業を見据えて人脈を広げたい
・ビジネスパートナーを探している
・ビジネス課題を解決するためのヒントが欲しい


7.イベント・セミナーの開催有無

▲状況によりオンラインでも開催されているドットワーク富士吉田の定例イベント「.work BAR」

コワーキングスペースの中には、ビジネスマッチングや利用者同士の交流、地域コミュニティの形成などを目的としたイベント、ビジネスに役立つセミナーなどを主催している施設もあります。コミュニケーションが活発なイメージがあるコワーキングスペースですが、意外と話しかけるきっかけが見つからず、交流につながらない場合も少なくありませんので、心配な方はイベント・セミナーの開催有無もチェックしておくと安心です。

8.営業時間

営業時間も施設によって異なりますが、平日のみの営業や、昼間のみの営業となっている場合も少なくありません。中には年中無休・24時間営業の施設もありますが、副業で会社帰りや週末に利用したいなどの場合には、夜間や土日も営業しているかを欠かさずに確認しておきましょう。

理想のコワーキングスペースを見つけるためのおすすめサービス

理想のコワーキングスペースを見つけるためには、試験的に複数の施設を利用する必要がありますし、中には出張などで移動が多く拠点を定められないという方もいらっしゃるかもしれません。そこでおすすめしたいのが、全国のワークスペースが使える法人向けシェアリングサービス「anyplaceパスポート」です。

本サービスでは、全国298箇所(2021年9月22日時点)にある多種多様な提携施設をテレワーク時の勤務地として利用することができます。「定額プラン」「従量プラン」の2つのプランから選べる料金システムとなっているため、月々の利用頻度や滞在時間に応じてお得に使い分けることが可能です。

従業員一人ひとりが理想の仕事場を見つけやすくなるだけではなく、企業にとっても、従業員に個人的な負担をかけずにサードプレイスオフィスを用意することができますので、ぜひ社内でテレワーク制度を整備する際の基盤としてご活用ください。

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まずは気になる施設に足を運んで実際の使用感・雰囲気を確認しよう!

自身に適したコワーキングスペースを見つけるためには、フィーリングも大事ですが、事前に判断基準をきちんと確認した上で、気になる施設に足を運んで実際の使用感・雰囲気を確認するのがベストです。

企業がコワーキングスペースを活用したテレワーク制度を敷く場合には、使用期間を設けて効果の検証を行ったり、社内やチーム内で互いにフィードバックを行うと良いでしょう。

ぜひ本記事で解説したチェックポイントを参考に、理想のコワーキングスペースをお探しください。

※記事内で登場した施設の情報は、以下のリンクからご覧いただけます。

「ドットワーク富士吉田」、「.work ANNEX」への見学申し込みはこちら

 

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