山梨で「寺ワーク」&「座禅体験」!身も心も整う話題の働き方にチャレンジしてきました
自然に囲まれた静かな環境で自身を見つめ直せることから、コロナ禍で一躍人気が高まった「寺ワーク」。こうした需要の拡大に伴い、境内や建物のスペースを働く場所として開放するお寺が増加しています。
キャッチーな言葉なので気になる方も多いと思いますが、ワーケーションの滞在先として宿坊を利用するパターンや、お寺ならではのコンテンツと併せて利用するパターンなど、取り組み方は多種多様です。
そこで今回は、実際に寺ワークを体験してきましたので、当日の模様をお届けします。寺ワークに興味がある方は、ぜひ参考にしていただけますと幸いです。
そもそも、「寺ワーク」とは何か?
身近な場所で非日常感を味わえる寺ワークですが、冒頭で述べたように、取り組み方も多種多様であるため、明確な定義はありません。
とはいえ、いずれの場合もお寺をワークスペースとすることに変わりはないため、滞在時間や利用内容に関わらず、共通して得られるメリットも多くあります。
- 非日常な空間で働くことで生産性・創造力の向上が期待できる
- お寺ならではの体験ができる(座禅・瞑想・写経・水行・作務・精進料理等)
- 日常生活で溜まった疲れやストレスをデトックスできる
- 自然に囲まれた静かな環境で心と体を整えられる
- 新しい生活様式に抵触しない条件が揃っている
江戸時代には寺子屋として教育施設の機能を担っていたお寺ですが、現代においてもそのような役割を全うしようとする動きは全国各地で見られます。とりわけ寺ワーク向けのプランが用意されているお寺では、通信回線はもちろんのこと、ディスプレイやプロジェクターなど、テレワーク環境が整備されている場合が多いです。
今回お世話になった寺院(曹洞宗 種月山 耕雲院 様)
今回の寺ワーク体験でお世話になったのは、山梨県都留市にある「曹洞宗 種月山 耕雲院(以下、耕雲院) 」さん。富士山の湧水が溢れる自然豊かな環境に囲まれた、のどかなロケーションに佇む禅寺です。
映像機器や音響設備などが完備されており、テレワーク環境も充実。お寺ならではの静寂さに包まれたワークスペースは、お仕事やご自身と存分に向き合える理想的な空間となっています。
また、坐禅や精進料理など、禅の魅力を味わえる豊富なコンテンツも必見です。お仕事で息詰まったり、気分を切り替えて働きたい際にはぜひお試しください。
「寺ワーク」&「座禅体験」のレポート
ここからは、訪問時の様子や感想をお伝えしていきます。今回の訪問では、メイン企画である寺ワークや座禅体験のほかにも、副住職の河口智賢さんと地方創生に関する意見交換を行うなど、とても有意義なひと時を過ごさせていただきました。
地方創生に関するディスカッションで意気投合
当日はご挨拶と打合せからスタートしました。河口さんは「現代の寺子屋」として地域のコミュニティ形成にご尽力されていて、禅の魅力を伝える布教活動のほかにも、子ども食堂や学習支援、イベント開催など幅広い活動に携わっていらっしゃるとのことです。
私たちの活動と通ずる部分も多いためか、共感できるお話ばかりで、自然と会話に花が咲いたように思います。地域のコミュニティ形成は共通の目的なので、当然マッチングできる要素も多かったのですが、私たちとはまた違うアプローチ方法で取り組まれている活動のお話もたいへん興味深く、たくさんのことを学ばせていただきました。
厳かでありながらも安らげる非日常空間で「寺ワーク」にチャレンジ
まだまだ地方創生について語り合いたい気持ちはありつつも、メイン企画である寺ワークにチャレンジするため、応接室を後にします。今回の寺ワークでは、本堂と大広間の2箇所をワークスペースとして利用させていただきました。
まさに寺子屋のような気分を味わえる大広間の居心地の良さもさることながら、これまで法事の際に訪れたことしかなかったお寺の本堂で自身がテレワークをしている状況には、驚きを隠せません。
どちらも開放的で静寂に包まれたスペースということもありますが、お寺らしい雰囲気のなかで働くことによって、身が引き締まる思いで作業に集中できましたので、いつもより仕事が捗ったように思います。
身も心も整う「座禅体験」で“今ここ”に気づく
快適な環境で順調に仕事も片付けられましたので、続けて座禅体験にチャレンジです。耕雲院さんがご提供されているコンテンツは、いずれも興味を惹かれるものばかりですが、せっかく禅宗のお寺に訪問する機会をいただけましたので、やはり座禅体験は外せません。
座禅用座布団の使い方や足の組み方など、座禅の基本的な作法を教えていただき、約15分間の瞑想がスタート。終わる頃には、先程まで活発に稼働していた頭の中も整理され、メンタルをフラットな状態に戻せたように感じます。
河口さんは毎週「オンライン座禅会」も開催されていますので、座禅に興味はあるけど現地に足を運ぶのが難しいという方は、ぜひそちらもチェックしてみてください。
▼「オンライン座禅会」の開催情報は、以下よりご確認いただけます。
“平成の名水百選”に選ばれた「太郎次郎滝」で追いリフレッシュ
当日のスケジュールがひと通り済んだ後には、お寺の近隣にあるという観光名所「太郎次郎滝」を河口さんにご案内いただきました。こちらは緑に囲まれた崖から湧水が流れ落ちる雄大な滝で、平成の名水百選にも選出されたそうです。
寺ワークと座禅体験で心と体を整えたばかりなので、いつも以上に自然のエネルギーを肌で感じられたように思います。耕雲院さんからは徒歩5分程の距離にあるスポットなので、お時間がありましたらぜひこちらにも足を運んでみてください。
anyplaceパスポートを活用して、寺ワークにチャレンジしよう!
今回お世話になった耕雲院さんは、110円/15分で色んな場所を仕事場にできるサービス「anyplaceパスポート」の提携施設です。同サービスでは、お寺のほかにも、宿泊施設や飲食店など、全国各地にある多種多様な施設をワークスペースとしてお手軽にご利用いただけます。
寺ワークやワーケーションはもちろんのこと、日常使いのオフィスとしてもご活用いただけるサービスなので、テレワーク環境が整った仕事場をお探しの方は、ぜひ一度お試しください。
「anyplaceパスポート」に関するお問い合わせ・お申し込みはこちら>>
副住職・河口智賢 様にインタビューさせていただきました!
Q.耕雲院様について教えてください!
耕雲院は1398年に開創され、室町時代より620年続く歴史を持つ、由緒ある曹洞宗の禅寺です。世界遺産の霊峰富士山に程近く、都心からも気軽に足を運べる距離にあります。豊かな自然の恵みのなかで日常から離れて禅の本質を体験できます。また、開かれたお寺を目指し、地域のコミュニティとして様々な催しを行いながら皆様と共に寄り添い歩んでいきます。どうぞお気軽にお立ち寄りください。
Q.現在どのような地域活動に取り組まれていますか?
「現代の寺子屋」として地域のコミュニティ形成に努め、主に近隣の大学生と共に子ども食堂(地域食堂)の運営をはじめ、フードバンク事業、学習支援等を行っております。そのほか、マルシェや打ち上げ花火、映画鑑賞会等のイベントにも携わっています。また、禅を実際に体験できる内容として、坐禅・写経・禅の食べ方教室・作務(お掃除)・寺サウナ・デジタルデトックス等のコンテンツがございます。オンライン坐禅会も毎週開催しておりますので、ご自宅から雰囲気を味わっていただくことも可能です。
Q.寺ワークについてどのようにお考えですか?
これからの働き方において、自分自身と向き合うことで仕事の本質に気づいていただく機会が必要であると感じております。時には喧騒から離れ、豊かな自然に囲まれたお寺という静寂な環境に身を置くことで、“自分の時間軸”を生きることをご体感いただけます。禅ZENと自然を体験していただきながら「今ここ」に気づき、よりクリエイティブな寺ワークのひと時をお過ごしください。
Q.読者様へのメッセージをお願いいたします!
耕雲院では“生きること”にフォーカスしたお寺づくり「現代の寺子屋」をビジョンとした取り組みを行っております。“忙しい”という言葉を気づかないうちに使っているのであれば、ぜひ耕雲院に来ていただき、ご自分の時間をお過ごしになってください。多様な生き方を禅の視点からライフコーチングさせていただきます。また、2019年のカンヌ国際映画祭に出品された映画『典座-TENZO-』とも深い関わりがあるお寺です。皆様のご来寺を心よりお待ちしております。
仕事の質が高まるだけではない、寺ワークが持つ数々の魅力
寺ワーク、座禅体験ともに初めての体験でしたが、事前に想定していた以上の効果を実感することができました。
仕事における生産性や創造力の向上はもちろんですが、お寺という非日常空間で過ごす時間が心身にもたらすプラスの効果は計り知れません。
日頃より色々なワークスペースで働くことの多い私たちですが、これからはお寺もそのルーティンに加えたいと強く感じる一日でした。
ぜひ本記事でご紹介した内容を、皆様の理想のワークスペース探しにお役立ていただけますと幸いです。